エピローグ/舞台裏

 

「博士の名前は、なんていうんですか?」

「それは秘密だ、クロウ・フカセ君」

「ミカヅキ博士じゃないんですか?」

「さあな。」

「本当は、博士は自分でも知らないんでしょ。」

「???」

「だって、決めてなかったのだから。」

「それは、クロウ、お前も同じだろ」

「・・・」

「そうです、私も同じ。ここに来たのは、ひととき、博士と戯れ話をするため。」

「そうだな。」

「私は博士よりは、より広いレイヤに存在することができます。

N-Samですから、そこへ還ることもできる。

でも博士は、このレイヤだけの存在ですね」

「それは初めから分かっていたことだ。」

「・・・そうですか・・・そうですよね。

じゃあ、そろそろお別れです。どうも、今まで、ありがとうございました。」

「ああ、こっちこそ、楽しませてもらったよ。」

「それでは」

「お互い」

「「運が悪かったら、また(会いましょう|会おう)」」

クロウ、去る。

 

クロウが去った場合、このレイヤには存在意味がなくなる。

そのため、博士は世界とともに消える。

* * *

ただ、二人がいたという記憶は、誰かの脳に残る。

それは、思想・行動に影響を及ぼすことになる。

これが、ゴースト・システムの本当の意味。

また、いつかどこかで。

「博士とクロウ」について