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子猫との旅

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 ある日、ふと旅に出ようと思った。リュックサックに寝袋とポテトチップスと鍋とみそを入れたら、子猫を入れるスペースがないことに気がついた。リュックサックを背負って子猫を小脇にかかえ、郵便局へ向かう。切手を買って子猫のひたいにはりつけると、郵便ポストへ入れて僕は駅へ向かった。
  南行きの電車にゆられながらポテトチップスをほおばる。夕方着いたのは、海の近くの無人駅だった。砂浜に降りると、一面にかにがうごめいている。足でかにをかきわけて、座って海を眺めていると、郵便配達員が子猫を届けてくれた。少し早いけど、夕食にしようと思い、鍋にかにと子猫とみそを入れてみそ汁を作った。みそ汁をすすりながら、明日は北へ向かおうか、と考えていた。

 

(1998/7/26)

 

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