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自動機械

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 午後の砂浜を海辺にそって歩く。やがて前方に黒い影が見えてくる。砂浜に打ち上げられた黒いクジラのようなそれは、全長20mほどの強行偵察用潜水艇だ。砂に突っ込んだ艦首には穴があき、海水が艇内を浸食しており、もはや再び動く望みはない。それを確かめると、さらに先を目指して歩き始めた。

 前方に、また新たな影が見えてきた。波打ち際ではなく砂浜に乗り上げている。強襲揚陸用ホバークラフトだったが、スカートがズタズタに引き裂かれており、放棄されたから大部たっていた。さらに、その先には、戦闘装甲車が、上部を破壊され砂に埋もれていた。どちらも廃棄を決定するのが妥当だ。

 もうすぐ日が暮れる。光発電はまだ出来るが、余裕を見てここで止まることにする。明日はまたここから引き返すのだ。この先に、白骨化した兵士が横たわっているのは知っているが、兵士の整備は私には出来ない。残った電圧で明日の整備のための移動ルートを作成してから待機モードへ移行し私は眠りについた。

 

(1998/7/29)

 

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